断ることが怖い人へ
「来週どう?」と聞かれた。
行きたくなかった。でも「いいですよ」と言った。
断れなかった。嫌われたくなかった。「せっかく誘ってくれたのに」という申し訳なさもあった。「また今度でいいや」と思って、今度も同じことをした。
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「断れない」の正体
断れない人は、意志が弱いわけじゃない。
断ることへの恐れが、強いだけだ。
断ると嫌われるかもしれない。断ると関係が壊れるかもしれない。断ると「冷たい人」だと思われるかもしれない。その恐れが、「いいですよ」を言わせる。
でもその恐れの奥をもう少し見ると、こういうことが起きている。「私が断ることで、相手は私のことを嫌いになる」という思い込みがある。
断ることと、嫌われることは、イコールじゃない。でも「断る=嫌われる」という方程式が、頭の中に刷り込まれていると、断るたびに関係が壊れる恐怖が走る。
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断ることは、自分の輪郭を守ること
輪郭のない人を想像してほしい。
何を頼まれても断らない。どんな誘いにも乗る。誰の意見にも反論しない。そういう人は、優しそうに見える。でもその人には、「この人らしさ」がない。
断ることは、「私はここまでだ」という輪郭を持つことだ。
断れる人は、自分がどこに立っているかを知っている。行きたくないものには行かない。したくないことはしない。その選択が積み重なって、「この人はこういう人だ」という輪郭になる。
断ることは拒絶ではなく、自分を持っていることの表れだ。
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断られる側として考える
あなたが誰かを誘って、断られたとき、どう思うか。
たいていの場合、「そうか、都合が悪いんだな」と思う。
相手のことを嫌いになったりはしない。
「次は都合のいいときに誘おう」と思う。
断ることが、関係を壊すほどのことになるかどうかは、関係の質による。本当に大切にしてくれる人は、断られても関係を切らない。断られたくらいで壊れる関係は、もともと薄い関係だった。
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「今回は難しいです」を一回言う
次に断りたい場面があったとき、「今回は難しいです」と言ってみてほしい。
理由は、あってもなくてもいい。「今回は」という言葉をつけると、関係を閉じるのではなく「今回は」と限定できる。
言った後、関係がどうなるかを見てほしい。たぶん、思ったより何も変わらない。
断れた一回が、「私はNOと言っていい」という経験になる。
断ることは、相手への拒絶じゃない。あなた自身への、許可だ。