感情的になる自分が嫌いだった
また感情的になってしまった。
泣くつもりはなかったのに、涙が出た。怒るつもりはなかったのに、声が上ずった。冷静でいようと思っていたのに、感情が先に出た。
落ち着いてから、後悔した。「また感情的になってしまった」「大人なのに」「情けない」
——自己嫌悪が来た。
感情的になる自分が、嫌いだった。
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「感情的になってはいけない」
「感情的になってはいけない」という信念は、かなり広く持たれている。
感情的な人は、冷静さがない。コントロールができていない。幼稚だ——そういう評価が怖くて、感情を抑えようとする。
でもこの「感情的になってはいけない」という信念を、少し疑ってみてほしい。
感情は、なぜ出てくるのか。何かが起きて、それに反応しているからだ。「これは嫌だ」「これは嬉しい」「これは怖い」
——感情は、自分の内側からの信号だ。欠陥じゃない。
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感情を出すことと、感情に飲まれることは違う
「感情的になってはいけない」という言葉が指しているのは、感情に飲まれて制御がきかなくなることだ。
でもそれは「感情を出すこと」とは違う。
感情を持つこと、感情を感じること、感情を表現することは、健全なことだ。問題になるのは、感情が判断や行動を完全にのっとってしまう状態だ。
感情を抑え込もうとすると、出口を失った感情はいつか大きな形で出てくる。それが、「感情的になってしまった」という状態に見える。
感情を抑えることで感情的になりにくくなるのではなく、感情を認めることで感情と上手につきあえるようになる。
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感情は、自分を知る入口
感情が出てきたとき、それを欠陥として扱わずに、「これは何のシグナルか」と聞いてみると、見えるものがある。
泣きたくなったとき——何かが悲しいか、何かに傷ついているか、疲れているか。
怒りが出てきたとき——何かが侵されているか、大切にしているものが否定されたか。
不安になるとき——何かを失いたくないと思っているか。
感情は、自分が何を大切にしているかを教えてくれる。
感情は欠陥ではなく、自分を知る入口だ。
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感情的になった自分を、責めない
次に感情的になってしまったとき、その後の自己嫌悪だけ、一回休んでみてほしい。
「また感情的になってしまった」ではなく、「何かに反応したんだな」とだけ思う。その感情が何を言おうとしていたのかを、少し聞いてみる。
感情は、消すものじゃない。一緒に生きるものだ。
感情的になった自分を責めないでほしい。その感情は、あなたの大切なものを守ろうとしていた。