好きな香水をつけて出かけるだけでいい
引き出しの中に、香水が入っている。
誕生日にもらったもの。デパートで試して、思い切って買ったもの。でも日常ではなかなかつけない。「特別な日じゃないと」と思っている。「もったいないから」と思っている。
普通の火曜日には、つけない。
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「特別な日のため」にとっておく癖
「特別な日のために」とっておくものは、多い。
いい食器は来客のとき用。
お気に入りの服はお出かけのとき用。
高めのボディクリームは週末用。
いい入浴剤は疲れた日用。
でも来客は来ない。
大事なお出かけはそうない。
週末になったら別のことが入る。
疲れた日は疲れていてそれどころじゃない。
結果、「特別な日」は来ないまま、「ためておくもの」は棚の中に残る。
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「自分のため」に使う練習
「特別な日のため」にとっておく心理の奥には、「今日の自分には使っていい理由がない」という感覚が、薄く漂っていることがある。
特別な理由がないと、自分への投資は後回しになる。でも考えてほしい。
今日出かけるのはあなただ。
今日この街を歩くのはあなただ。
今日の朝、鏡の前に立っているのはあなただ。
特別な理由がなくても、今日のあなたが存在している。それだけで、好きな香水をつけていい理由になる。
「今日の私のために使う」という選択が、自分への小さな許可だ。
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香りが変えるもの
好きな香りをまとって出かけると、何かが少し変わる。
電車の中で、自分の香りがふっとする。それだけで、少しだけ「今日の自分」が好きになれる瞬間がある。
誰かに褒められなくていい。気づかれなくてもいい。自分だけが知っている、今日の自分のための選択。
それが、「自分のためにきれいでいること」の意味だ。
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今日、つけて出かける
明日の朝、出かける前に、とってある香水をつけてみてほしい。
特別な日じゃなくていい。
普通の火曜日でいい。
どこにも行かない日でも、部屋の中でつけてみてもいい。
「今日の私のために」——その選択が、一日を少しだけ、自分のものにする。
好きな香りをまとうことは、今日の自分への小さな贈り物だ。特別な日を待たなくていい。