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恋愛 STEP2

デートの前に「正解の自分」を準備してしまう

デートの前に「正解の自分」を準備してしまう

デートの前日は、いつも忙しい。

服を三回着替える。

ヘアアレンジを二パターン試す。

話題を頭の中でシミュレーションする。

「最近観た映画の話をしよう」「仕事の愚痴は重いからやめよう」「食べ方が汚くならないように気をつけよう」

——準備しているのは外見だけではない。振る舞い、話題、表情、リアクション。ありとあらゆる「正解」を事前に用意しようとしている。

当日、待ち合わせ場所に立っている自分は、もう「自分」ではない。昨夜から丁寧に組み上げた「正解の自分」だ。

楽しいはずのデートなのに、終わるといつもぐったりしている。

✦ ✦ ✦

「正解の自分」を準備してしまうのは、ある前提があるからだ。

「そのままの自分では不十分だ」という前提。

何も準備しないまま会ったら、つまらないと思われるかもしれない。

気の利いたことが言えないかもしれない。

沈黙が続いて気まずくなるかもしれない。

——そういう不安の根っこにあるのは、「素の私には、人を惹きつける力がない」という信念だ。

だから補う。話題で、服で、笑顔で、正解のリアクションで。足りない自分を、準備で埋めようとする。

でもこの戦略には、致命的な矛盾がある。

準備した自分で上手くいっても、「上手くいったのは準備のおかげであって、私自身の力ではない」と感じてしまう。成功体験が自信につながらない。むしろ「次も準備しなきゃ」というプレッシャーが増す。

準備すればするほど、素の自分への信頼が削れていく。

✦ ✦ ✦

ここで一つ、立ち止まって考えてみてほしい。

あなたが「正解」だと思って準備しているもの——話題、服装、振る舞い——それは誰の基準で選んでいるだろうか。

「相手が好きそうなもの」「一般的に好印象なもの」「失敗しないもの」。どれも、軸が外にある。

デートの本来の目的は何だろうか。相手に好印象を与えることだろうか。それとも、お互いを知ることだろうか。

もし後者なら、「正解の自分」を持っていくのは逆効果だ。相手が知りたいのは、あなたが準備したバージョンではなく、あなた自身だからだ。

準備した話題が尽きたあとに出てくる言葉。何気なく選んだ服。考えなくても出る表情。相手はむしろ、そちらを見ている。

✦ ✦ ✦

次のデートの前に、一つだけ試してみてほしい。

準備を一つ減らす。

話題を三つ用意していたなら、二つにする。

服を三回着替えていたなら、二回目で止める。

完璧に準備した自分の中に、一箇所だけ「隙間」を残して出かける。

その隙間から出てくるものが、本当のあなただ。

正解なんてなくていい。不完全なまま会いに行っていい。

そのほうが、きっとあなたらしい。

PRIELLE編集部

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