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ライフスタイル STEP3

好きな飲み物を一つ決めている

好きな飲み物を一つ決めている

カフェのカウンターで、メニューを見上げる。

ラテもいいし、カプチーノもいいし、紅茶もいい。迷っているうちに後ろに人が並び始めて、焦って「ブレンドで」と言う。

別にブレンドが好きなわけではない。一番無難で、一番早く言えて、一番間違いがないから選んだだけだ。

ある日、「私の好きな飲み物って何だろう」と考えてみた。答えが出なかった。好きなものがないのではなく、好きかどうかを考えたことがなかった。

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一週間かけて、いろいろ試してみた。

カフェラテ。チャイ。ほうじ茶ラテ。抹茶。ジンジャーエール。レモネード。——毎日違うものを頼んで、飲むたびに自分に聞いた。「これ、好き?」

結果、一つ見つかった。ほうじ茶ラテ。香ばしくて、甘すぎなくて、温かい。「これが好き」と、はっきり思えた。

それからカフェに行くと、迷わなくなった。「ほうじ茶ラテをお願いします」。メニューを見上げなくても言える。後ろの行列も気にならない。

たかが飲み物だ。でも、「迷わずに選べるもの」が一つあるだけで、自分に対する信頼感が変わる。

✦ ✦ ✦

「いつもの」を持つことの力は、迷いがなくなることだけではない。

自分の好みを知っている、という感覚そのものが力になる。

「何が好き?」と聞かれて答えられるものが一つでもあると、自分の輪郭がはっきりする。「私はほうじ茶ラテが好きな人だ」——些細な情報だけれど、自分を構成するパーツが一つ増える。

そのパーツが増えるたびに、「何もない私」という感覚が薄れていく。

特別なことは何もない。

でも、好きな飲み物がある。

好きなリップの色がある。

好きなハンカチがある。小さな「好き」の集合が、自分という人間を形作っている。

「何もない」と思っていた自分の中に、実はたくさんの「好き」があった。ただ、それを探す習慣がなかっただけだ。

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今週、カフェやコンビニで飲み物を買うとき、一つだけ試してみてほしい。

「いつもの」を頼む前に、「本当にこれが好き?」と自分に聞いてみる。

好きだと思えたら、胸を張ってそれを頼む。「いつもの」が自分の意志で選んだ「いつもの」に変わる。

もし「実はそうでもないかも」と思ったら、今日は違うものを試してみる。

どちらにしても、自分の感覚に従って選んだという事実が残る。

——「いつもの」を笑顔で頼める自分は、小さな自分基準を一つ持っている自分だ。

PRIELLE編集部

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