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ビューティー STEP2

キャンメイクから一つだけ、デパコスを混ぜてみた

キャンメイクから一つだけ、デパコスを混ぜてみた

メイクポーチの中身は、ずっとプチプラだった。

キャンメイク、セザンヌ、ケイト。安くて優秀で、何も不満はない。デパートのコスメ売り場は好きで、よく眺めるけれど、買ったことはほとんどない。BAさんに声をかけられると緊張するし、心のどこかで「私が買うようなものじゃない」と思っていた。

ある日、デパコスのカウンターで、一本のリップに目が留まった。きれいな色。手に取ってみると、ケースまで上品で、持っているだけで気分が上がりそうだった。

値段を見て、一瞬ためらった。いつものリップの、3倍以上。

でも、その日は買ってみた。「一つくらい、いいか」。レジで支払うとき、少しだけ緊張した。でも、きれいな紙袋を持って店を出たとき、なぜか背筋が伸びた気がした。

翌朝、そのリップをつけた。鏡の中の自分が、ほんの少し、違って見えた。


「私が買うものじゃない」の正体

デパコスを前にして「私が買うようなものじゃない」と思うとき、何が起きているのだろうか。

それは、値段の問題のように見えて、実は違う。本当は、「私には、これにふさわしい価値がない」という、自己評価の問題だ。

いいものは、価値のある人が持つもの。

私はそこまでの人間じゃない。

だから、プチプラで十分。

——そんなふうに、無意識のうちに、自分に「分相応」のラインを引いている。そのラインは、財布の都合というより、自分をどう評価しているかの表れだ。

褒められたとき「私なんて」と返してしまうあなたを、覚えているだろうか。デパコスを「私が買うものじゃない」と遠ざけるのも、構造はまったく同じだ。差し出された「いいもの」を、「私にはふさわしくない」と、自分で拒否している。

一本のデパコスを買うことは、ただの買い物じゃない。「私は、これを持っていい人間だ」と、自分に許可を出すことだ。その許可を、あなたは久しぶりに、自分に出した。


全部を変える必要はない。一つでいい

ここで誤解してほしくないのは、「プチプラをやめてデパコスにしましょう」という話ではない、ということだ。

プチプラは、優秀だ。安くて質がいいものは、たくさんある。それを使い続けることに、何の問題もない。「全部デパコスに揃えなきゃ」なんて思う必要は、まったくない。それこそ、他人の物差しの足し算に戻ってしまう。

大切なのは、全部を変えることじゃなくて、一つだけ、自分のために「いいもの」を許すこと。

ポーチの中の、たった一本。それが、毎朝つけるたびに「これ、好きだな」と思えるものなら、それで十分だ。その一本が、「私は、自分にいいものをあげていい人間だ」という感覚を、毎朝あなたに思い出させてくれる。

そして、その一本を選ぶ基準は、口コミでもランキングでもない。デパコスの棚の前で、「この色、好きだな」「これ、つけてみたいな」と、自分の中にときめきが動いたかどうか。誰かがおすすめしているからではなく、自分が見て、心が動いたかどうか。その身体感覚を、信じてほしい。


✦ ✦ ✦

次にデパコスの売り場を通りかかったら。いつものように素通りせず、少しだけ、足を止めてみる。

並んでいるものを眺めて、「これ、好きだな」と心が動くものがあったら、手に取ってみる。

そして、一つだけ、自分のために買ってみる。

「私が買うものじゃない」という声が聞こえてきたら、こう返してみてほしい。「いや、私は、これを持っていい人間だ」と。

その一本は、ただのコスメじゃない。あなたが自分に出した、小さな許可証だ。

明日の朝、それをつけたとき、鏡の中の自分に、ほんの少しときめけたら。その一本は、値段以上の価値を、あなたに返してくれている。

PRIELLE編集部

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PRIELLE 編集

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