鏡を見るのが、ちょっと楽しくなった
鏡を見るのは、ずっと苦手だった。
正確に言うと、鏡で「確認」はする。化粧が崩れていないか、髪が乱れていないか。でも、それは点検であって、自分の顔をじっくり見ることはなかった。むしろ、できるだけ見たくなかった。シミ、毛穴、なんとなく疲れた表情。鏡は、自分の「足りなさ」を突きつけてくる場所だった。
それが、いつからか、変わっていた。
朝、鏡の前で、シートマスクで整えた肌を見て「いい感じ」と思う。好きなリップをつけて、ちょっとときめく。整えてもらった眉を確認して、悪くないなと思う。
ある朝、ふと気づいた。私、最近、鏡の前で、少しだけ長く立ち止まっている。逃げるためじゃなく、確かめるために。そして、その時間が、ちょっと楽しい。
鏡が怖かったのは、「採点」していたから
鏡を見るのが苦手だったのは、なぜだろうか。
それは、鏡の前で、無意識に自分を「採点」していたからだ。
シミがある、マイナス。毛穴が目立つ、マイナス。理想の顔と比べて、足りない。あの人と比べて、劣っている。鏡を見るたびに、減点方式で自分を眺めて、「やっぱり私は」と落ち込む。だから、鏡から逃げたくなる。見れば見るほど、自分が嫌いになるから。
これは、足し算のゲームの、いちばんわかりやすい現れだ。理想という満点があって、そこから足りないものを数える。永遠に満点には届かないから、鏡はいつも、自分を否定する道具になる。
でも、顔と髪に小さな手をかけ続けるうちに、鏡との関係が、少しずつ変わっていく。
なぜなら、自分で手をかけた部分は、「採点」じゃなく「愛着」の対象になるからだ。自分で選んだリップ、自分でケアした肌、自分で整えた眉。それらを鏡で見るとき、あなたは減点していない。「これ、好きだな」と、肯定している。
「悪くないな」の積み重ねが、見方を変える
鏡を見るのが楽しくなったのは、顔が劇的に変わったからじゃない。
シミが消えたわけでも、別人になったわけでもない。変わったのは、顔そのものより、顔を見る自分の視線だ。
足りないものを数える視線から、自分で手をかけたものを愛おしむ視線へ。減点から、肯定へ。その視線の変化が、鏡を「逃げたい場所」から「ちょっと楽しい場所」に変えた。
これは、PRIELLEがずっと言ってきた「これでいい」の、具体的な姿だ。満点を目指すのではなく、今の自分に小さな手をかけて、「悪くないな」と思える。その「悪くないな」を、毎朝積み重ねていく。
シートマスクで「悪くないな」。好きなリップで「悪くないな」。整えた眉で「悪くないな」。一つ一つは、本当に小さい。でも、その小さな「悪くないな」が積み重なると、ある朝、鏡の前で自然に立ち止まっている自分に気づく。逃げるためじゃなく、確かめるために。そして、その時間が、ちょっと楽しい。
顔を好きになるのに、完璧な顔はいらない。必要なのは、自分で手をかけた小さな部分を、愛おしむ視線だけだ。
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ここまで、顔と髪に小さな何かを足す話を、いくつもしてきた。シートマスク、デパコスのリップ、整えた眉、自分で選んだ髪型、好きな色のネイル。
どれも、誰かに見せて褒められるためのものじゃなかった。すべて、自分が鏡を見たときに「いいな」と思えるための、小さな手のかけ方だった。
明日の朝、鏡の前で、自分で手をかけた部分を、一つ探してみてほしい。
丁寧にケアした肌でも、好きな色のリップでも、整えた眉でもいい。それを、採点するためじゃなく、愛おしむために、見てみる。
「悪くないな」と思えたら、それで十分だ。その「悪くないな」は、満点じゃない。でも、満点よりずっと大切な、自分への肯定だ。
鏡は、もう、あなたを否定する場所じゃない。自分で手をかけた自分に、ちょっとときめく場所だ。その変化こそが、顔と髪に手をかけ続けた、本当のごほうびだ。
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