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スマホを置いて、本を一冊だけ持って出かけた

スマホを置いて、本を一冊だけ持って出かけた

休日のカフェで、いつもスマホばかり見ていた。

何を見ているわけでもない。SNSをスクロールして、ニュースを流し読みして、誰かの投稿に「いいね」を押す。気づくと1時間が経っている。「何を得たんだろう」と思いながら、また指を動かす。

ある日、ふと、本を一冊だけ持って出かけた。読みたいというより、なんとなく「鞄に入れてみよう」と思っただけ。

カフェで、いつものようにスマホを取り出しかけて、思い直した。今日は、これを読もう。

最初の数ページは、集中できなかった。スマホが気になる。でも、しばらくすると、不思議と心が落ち着いてきた。コーヒーの香り、本のページをめくる音、窓の外の風景。

スマホでは決して得られなかった、ゆっくりとした時間の流れが、そこにあった。


スマホは、なぜ「埋めるもの」になったのか

休日のあなたのスマホ時間を、思い出してみてほしい。

朝起きてから、寝るまで。気がつくと、何時間もスマホを見ている。SNSを開いて、ニュースを見て、また別のSNSを開いて、動画を流して。何かを「やっている」感覚はあるのに、終わったあとに残るものが、ほとんどない

これは、スマホで時間を「使っている」のではなく、「埋めている」状態だ。空白の時間が怖いから、手っ取り早く埋められるもので、塞いでいる。本当は、何かを楽しみたいわけでも、得たいわけでもない。ただ、ぼんやりした時間を、外からの刺激でなんとか紛らわしている。

そして、スマホの中の情報は、あなたの内側に何も残さない。誰かのキラキラした生活、知らない人の批判合戦、流れていくニュース。受動的に流し込まれて、すぐに忘れる。頭の中は、いつも他人の声でいっぱいで、自分の声が聞こえなくなっていく。

「スマホをやめなさい」という話じゃない。スマホは便利だ。でも、休日のすべての時間をスマホで埋めると、あなたは自分とゆっくり過ごす時間を、丸ごと失ってしまう。


本は、自分との時間を返してくれる

本を持ち出して読み始めたあの時間、何が起きていただろうか。

スマホを見ているときとは、明らかに違う質の時間が流れていた。情報が、流れ込んでくるのではなく、自分のペースで入ってくる。集中しないと読めないから、頭が他のことから離れる。一行読んで、考える。また一行読んで、考える。そのリズムが、自分の内側を整えてくれる。

本の中身が、特別である必要はない。小説でも、エッセイでも、何でもいい。大事なのは、スマホの代わりに、自分のペースで進むものを手に取ったという、その選択だ。

そして、本を読んでいる時間、あなたは自然と、自分の内側に潜っている。著者の言葉に触発されて、自分のことを考える。「私だったらどう感じるか」「これは自分にも当てはまるか」。スマホでは、他人の話を消費するだけ。でも本では、他人の話をきっかけに、自分と対話している。

その違いは、大きい。スマホは、あなたを外側に引き出す。本は、あなたを内側に戻してくれる。

休日のすべてを内側に向ける必要はない。でも、一日に一度くらいは、本を開いて、自分の中の声に耳を澄ます時間を持っていい。それは、誰のためでもない、自分だけの静かな贅沢だ。


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次の休日、出かけるとき。

スマホはもちろん持っていく。でも、それと一緒に、本を一冊だけ、鞄に入れてみる

読みたいものでなくていい。気になっていた本でも、誰かが薦めていた本でも、表紙が好きだった本でもいい。一冊だけ。

カフェに入ったら、スマホを取り出す前に、まず本を開いてみる。集中できなくてもいい。10分でも、15分でもいい。スマホの代わりに、自分のペースで本のページをめくってみる。

その時間、頭の中にいるのは、知らない誰かのキラキラじゃない。本の中の言葉と、それに反応する自分だけだ。

帰り道、なんとなく頭がすっきりしていることに気づくはずだ。それは、自分との時間を、少しだけ取り戻した証拠だ。

PRIELLE編集部

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