自分を大切にするとはどういうことか
「自分を大切にしてね」と言われた。
わかった、と思った。でも何をすればいいか、わからなかった。
高い化粧品を買う? マッサージに行く? 早く寝る? 栄養のあるものを食べる?
——それが「自分を大切にすること」なのかもしれない。でも何かが、ぼんやりしたままだった。
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「自分を大切にする」のイメージ
「自分を大切にする」という言葉は、自己ケアのイメージと結びつきやすい。
休息をとる。
体を整える。
好きなものを食べる。
自分にご褒美をあげる。
それは一つの形だ。間違っていない。でもそれだけじゃない。
もっとシンプルに言うと、自分を大切にするとは、自分の感覚に従うことだ。
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感覚に従う、とはどういうことか
自分の感覚に従うとは、こういうことだ。
疲れたと感じたとき、「まだ大丈夫」と押し込まずに、「疲れた」と認めて休む。
嫌だと感じたとき、「でも仕方ない」と飲み込まずに、「嫌だ」という感覚を一回受け取る。
やりたいと感じたとき、「でも私なんかが」と止めずに、「やってみようか」と動く。
感覚を否定しない。感覚を後回しにしない。感覚を「正しいか間違いか」で判断する前に、まず「ある」と受け取る。
それが、自分の感覚に従うことだ。
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自分の感覚を後回しにしてきた人へ
長い間、自分の感覚を後回しにしてきた人は、自分が何を感じているかが、わかりにくくなっていることがある。
「疲れた」と感じる前に動き続けていると、疲れのシグナルに気づきにくくなる。「嫌だ」と感じる前に合わせ続けていると、嫌だという感覚がどんどん小さくなる。
感覚を取り戻すには、少しずつ聞く練習が必要だ。
今日、体はどうか。今日、気持ちはどうか。今日、何がしたいか。何が嫌か——小さく、ゆっくり、聞いていく。
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今日、感覚を一つ受け取る
今日、自分の感覚を一つ受け取ってみてほしい。
疲れていたら、「疲れた」と認める。
嬉しいなら、「嬉しい」と感じる。
これが食べたいなら、「これが食べたい」と思う。
その感覚を否定しない。説明しなくていい。ただ、「今日の私はこうだ」と、受け取る。
自分を大切にすることは、自分の感覚を、ちゃんと受け取ることから始まる。
「自分を大切に」は、遠いことじゃない。今日の自分の感覚に、一つだけ耳を傾けることだ。