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ビューティー STEP2

一つだけ「本当に好きなもの」を持っている人の強さ

一つだけ「本当に好きなもの」を持っている人の強さ

先輩の鞄から、ペンが一本出てきた。

なんでもないボールペンに見えたけれど、先輩がそれを持つ手つきが少し丁寧だった。「これ、5年使ってるんだよ」と笑った。書き心地が好きで、替え芯を取り寄せながらずっと使っているらしい。

特別に高いものではなかった。でも先輩がそのペンについて話しているとき、なんだかその人自身がくっきりして見えた。

「本当に好きなもの」が一つある人は、強い。なぜだろうと、ずっと考えていた。

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「好きなものは何?」と聞かれて、すぐに答えが出ないことがある。

好きなブランドはない。好きな香りも特にない。服も、雑貨も、文房具も、「まあこれでいいか」で選んだものばかり。嫌いなわけではないけれど、「これが好きだ」と胸を張れるものがない。

それは好きなものがない人間なのではなく、「好き」を選ぶ練習をしてこなかっただけだ。

ずっと「無難なもの」「みんなが使っているもの」「失敗しないもの」を選んできた。

その基準の中に、自分の「好き」は入っていない。他人の基準で選び続けると、自分の好みの感覚が鈍ってくる。

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「本当に好きなもの」が一つある人が強く見えるのは、そこに自分の判断があるからだ。

誰かに勧められたからではなく、流行っているからでもなく、「自分が好きだからこれを選んだ」という事実。その事実が、その人の輪郭を作っている。

持ち物は、自分の延長だ。

「何を持っているか」は「何を選んだか」であり、「何を選んだか」は「自分が何を好きか知っている」ということだ。自分の好きを知っている人は、それだけで立ち姿が違う。

逆に、持ち物の全部が「特に理由なく手元にあるもの」だとしたら、それは自分の輪郭がぼやけているサインかもしれない。

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たくさん見つける必要はない。

一つでいい。「これは好きだ」と言い切れるものを、一つだけ持つ。

リップの色でもいい。

マグカップでもいい。

いつも使うペンでもいい。

ハンカチでもいい。

選ぶときのコツは一つだけ。「誰かに説明できなくても、自分が好きだと思えるかどうか」で選ぶこと。理由なんてなくていい。「なんか好き」で十分だ。

その「なんか好き」を一つ持っている人は、もう自分の基準を持っている。

今週末、一つだけ探しに行ってみてほしい。自分の「なんか好き」を。

それが見つかったとき、鏡の中の自分が少しだけくっきりして見えるはずだ。

——ところで、その「なんか好き」を見つけたとき、鏡の中の自分にときめくだろうか。

PRIELLE編集部

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