私の物差しは、私が決めていい
ずっと、誰かの物差しで、自分を測ってきた。
体重は、減ったか。
年収は、いくらか。
何歳で、結婚したか。
フォロワーは、何人か。
同期の中で、どの位置にいるか。
その物差しを、自分で決めたつもりはない。気づいたら、世の中の物差しを、自分の物差しとして使っていた。そして、その物差しで測ると、私はいつも、誰かに負けていた。
ある日、ふと思った。
「この物差し、本当に、私のなんだろうか?」
体重が減ることを、私は本当に望んでいるのか。
年収が高いことに、私は本当にときめいているのか。
早く結婚することを、私は本当に求めているのか。
考えてみると、どれも、誰かが「いい」と言っていたから、自分も「いい」と思い込んでいただけだった。
その日、私は自分に許可を出した。「私の物差しは、私が決めていい」。
他人の物差しは、永遠に勝てない
世の中の物差しで、自分を測り続けると、何が起きるだろうか。
「もっと痩せている人」「もっと稼いでいる人」「もっと若くて美人な人」「もっと幸せそうな人」が、SNSにも、テレビにも、現実にも、いつもいる。あなたがどんなに頑張っても、上には上がいる。他人の物差しで測ると、勝てる日が、ほぼ来ない。
そして、勝てないゲームを続けると、人は疲れる。「私は、いつも足りない」「私は、いつも誰かに劣っている」。その自己評価が、毎日少しずつ、自分を削っていく。
これは、ゲームの設計が、もともと間違っているのだ。他人の物差しは、勝つように作られていない。
なぜなら、その物差しを作ったのは、あなたじゃないからだ。誰かが、誰かの都合で作った基準を、あなたに当てはめている。その基準で「いい」とされる位置に行けたとしても、それは、他人が決めた「いい」に到達しただけ。あなた自身が「いい」と思える位置とは、限らない。
だから、世の中で「成功」と言われる位置にいる人が、必ずしも幸せそうじゃないことが、よくある。他人の物差しで勝っても、自分が満たされるわけじゃない。
自分の物差しを、自分で作る
「私の物差しは、私が決めていい」。
これは、わがままでも、傲慢でもない。自分の人生を生きるための、最も基本的な権利だ。
体重の数字より、自分が朝鏡を見て「悪くないな」と思えるかどうか。年収の数字より、自分が仕事に納得しているかどうか。結婚しているかどうかより、自分の毎日が満たされているかどうか。
これらは、他人の物差しでは測れない。自分の中の感覚でしか測れないものだ。だからこそ、自分が決めるしかない。
そして、自分の物差しを持っている人は、強い。誰かに「あなたはまだ足りない」と言われても、揺るがない。「私の物差しでは、私はもう十分」と、自分で答えられる。他人の評価と、自分の評価が、別の物差しで動いているから、他人の評価に振り回されない。
これは、他人を無視するということじゃない。他人の意見も聞く。でも、最終的な「いい・悪い」の判断は、自分の物差しで下す。それだけのことだ。
自分の物差しを作るのは、簡単なことじゃない。これまで、何十年も他人の物差しで生きてきたから、自分の物差しがどんなものか、わからなくなっている。でも、毎日の小さな選択を、自分の感覚で行っていくうちに、少しずつ、自分の物差しが見えてくる。
「これを、私はいいと思うか」「これは、私を満たすか」。その問いを、自分にかけ続ける。それが、自分の物差しを育てる、唯一の方法だ。
✦ ✦ ✦
今、自分が「足りない」と感じていることを、一つ思い浮かべてみる。
それは、本当に、あなた自身の物差しで測った「足りない」だろうか? それとも、世の中の物差しで測った「足りない」だろうか?
世の中の物差しを、一度、自分から外してみる。
そして、自問してみる。「私の物差しでは、私はどうだろう?」
世の中の物差しでは「足りない」かもしれない。でも、自分の物差しで測ると、十分なところに、あなたは立っているかもしれない。
逆に、世の中では「成功」とされる場所にいても、自分の物差しでは「ここは違う」と感じることもある。それも、大事なサインだ。
自分の物差しは、他人に説明する必要はない。自分の中で、自分が納得していれば、それでいい。
「私の物差しは、私が決めていい」。
この一文を、自分にプレゼントしてほしい。これからの人生で、何度も自分を救ってくれる言葉だ。
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